減災の最先端が集結!名古屋の減災館に潜入リポート!

「建物全体を揺らして地震を再現できる施設がある」

──そんなウソみたいに素敵な話を聞きつけて、やってきたのは愛知県名古屋市。
今回は、名古屋大学の敷地内にある『減災館』を見学します!

 

 

なんとなく近未来を思わせる三角形の建物。「これが揺れるの……?」とドキドキしながら、中へと入ります。
この日は幸運にも、センター長であり工学博士でもある福和伸夫先生の講演会にも参加させていただくことができました。

 「防災」というと、つい理系の話がメインになりがちなイメージですが、歴史や地名と絡めたお話があったり、文系人間のわたしでも夢中になって聞けるような講演をじっくりと聞くことができました。

 その後、参加者全員で、いざ! 減災館の見学ツアーです。

 

まずは外に出て、ガラス張りになっているところから中を覗くと……?

 

 

す、すごい……マシーンが丸見えになっていますが、これは一体……。

 福和先生のガイドによると、これは地下の免震装置。「減災館というからには万全の対策を」ということで、通常のものよりも大きく、90㎝まで変形が可能にすることで南海トラフ地震にも備えているそうです。ガラス張りにすることで、仕組の理解や構造の理解を促しているのだとか。

 屋内へ戻る間にも面白い仕掛けがあります。よーく階段を見てみると……。

 

 

 

う、浮いてる……!?

 どうやら建物全体を震度3で揺らすことができるという仕掛けは真実らしく、その為に建物側の階段と地盤とを隔離するため、階段を吊るようにして設置をしているとのこと。何て斬新な発想なんでしょう……素晴らしすぎます。この日、建物が揺れている様子は見学できませんでしたが、是非体験したいものです……。

 さらに、いざという時にはここで100人の人が10日間を生き抜くことができるだけの備蓄が整っているらしく……名古屋減災館、格好良いです……!

 感動しながら館内へ入ると、あちこちにさまざまな展示や体験ブースが広がっています。

 

 

模型に映像を投影し、その土地で起こり得る災害を可視化する装置や、

 

津波の起こるメカニズムを体験できるコーナーや、

 

地盤によって建築の基礎を変える必要性を感覚的に知ることができるコーナーも。

 他にも、プロジェクションマッピングを駆使して高層ビルでの揺れを視覚的に体感できたり……。

 

足元に広がる地図を見て、自分の家に起こり得る災害を知ることができたり……。

 

家の模型を使い、建築的な目線での耐震について考えることができたり。

 

 

様々な切り口から防災を学べる仕掛けがいっぱいです!

 それぞれ体験しながら楽しんでいると、福和先生がお話をしてくださいました。

 

 

 

物事の本質を単純化すること

 

 ゼネコンで働いていた経験もお持ちの福和先生は、建築分野にも詳しく博識な方。けれど、プロフェッショナルであるからこそ、知識をそのまま伝えるのではなく、そうした知識を活かして「物事の本質を単純化し伝えること」が何よりも大切なのではと考えておられるそうです。難しそうなイメージのものを模型にしてみたり、「揺れが来たらこうなる」という体験ができる実験をして、感覚的に理解をしてもらったり。本質を単純化して伝えることで、行政や企業、子どもや大人といった立場を超えた理解が生まれるかもしれない。だからこそ、減災館ではそういった展示やコーナー作りを心掛けているそうです。

 

二階にはライブラリーのような展示コーナーがあり、東日本大震災に関する新聞のスクラップがずらりと閲覧できるコーナーや、古地図や地名といった地理学的な視点から防災について考えるための本が並んでいます。ただ見学をするだけでも、自然と色々な視点で防災に触れることができる施設なんですね。

 

 

 

 

 

 

「興味があります」という程度の人に、話をしている時間は無い。
 この日の講演の冒頭で、福和先生はこう仰いました。それは、国を守るためにいかに本気であるかという覚悟と同時に、先生のお言葉の端々からは、とてつもなく深い愛情のようなものも感じました。「今の日本は専門が分化している。だからこそ、知識を集めて知恵に変えていく必要がある。限られた視点でしか物事を見ないことは、誰かがやってくれるだろうという無責任さと同義だ」というお話も、まさしくその通りだなと頷くばかり。無知であるがゆえに、無自覚のうちに犯してしまう罪というものが、今の日本には蔓延しているのかもしれないなと痛感しました。

 

最後のQ&Aの時間、「今日から何をしたらいいですか?」といった質問に対して、「具体的な行動はもちろんですが、今日触れたことや学んだことを頭の隅に置いておけば、絶対に安全な方向へ進んでいきます」と答えていた福和先生。 「防災って、辛いけどハッピーだなと思うんです」というお言葉も。

 

嫌なことを嬉しいと思って、面白くしていく。尖った専門の範囲だけではなく、地名や歴史やまちづくり、色々な視点から見ると、防災も必ず面白いものにできるはず──「日本人は、やる気があればできちゃいますから。『備蓄してないなんてありえない』『家具の固定してないの?』なんていう会話が当たり前になっていくような世の中も、本気でやればそんなに難しいことじゃないと思います」
 厳しくストイックな姿勢のその中に、お茶目な笑顔で語る姿がとても印象的でした。

 

 

 この日は見学できなかったものの、屋上にも実験室があったりとまだまだ学びを得ることができそうな減災館。次回は建物全体の揺れを体験できたらなぁ……なんて期待をしつつ、名古屋の底力に圧倒されて見学を終えました。

 名古屋の減災館、これからの日本を守る拠点として、沸々と燃えるパワーを感じる場所でした!

 

記事作成:一般社団法人 防災ガール 中西須瑞化
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※この記事はNTTタウンページ株式会社様とのコラボ記事となっております。
 
 従来のタウンページと一緒に別紙配布される「防災タウンページ」の
 配布地域にあるあまり取材をされにくいけれど、
 とてもすばらしい取り組みをされている地域の団体・プロジェクトを
 全国の防災ガールが取材をしに伺います!
 
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