地域を巻き込む「豊臣小学校おやじの会」とは

名古屋のとあるカフェ。   日も暮れて、お仕事帰りのサラリーマンがたくさん見えるようになり始めた午後7時。

 

 

 

待っているのは、「豊臣小学校おやじの会」のメンバーの皆さま。   その名の通りお父さんたちが中心となって、学校に泊まっての避難訓練を実施されているのだそう。それだけでもすごいのに、消防署や学区をしっかりと巻き込んだ訓練を行っているそうで……一体どんな方たちなんだろう?   とドキドキしながら待つこと数分、「こんばんはー」と明るい声が聞こえました。

 

 

左からママ代表の杉原さん、現会長の村井さん、前会長の小嶋さん (取材は私、防災ガールの田中美咲です!)

お仕事帰りとご飯時で忙しい時間に、ありがとうございます……! では早速、避難訓練や、おやじの会について教えてください!

 

父親だからこそ、やらなくちゃいけない。

小嶋:訓練の言い出しっぺは僕なんです。共働きの家だと、どうしても子どもと離れる時間が増えてしまう。そうでなくとも、父親ってやっぱり仕事で家にはなかなか居られないですよね。そういう時に災害が発生したら、守りたくても守ってやれない。だから子どもたちが自分で自分の身を守れるように、こういった経験を積ませてやることが、僕たち父親にできることなんじゃないかと思ったんです。

 

 

田中:なるほど……。モデルにした活動等はあったんですか?

小嶋:釜石の奇跡を真似したいなと思って、言い出しました。子ども達が自分で判断をして動けるようになるのがいいなと。ゴールデンウィークに東北も見に行ったんですが、避難所に指定されている学校が崩れていたりして。名古屋も東は山で地盤が強いけれど西は海抜1mだったり、伊勢湾台風もあったし、地盤のゆるい所もあるから自分たちで備えないといけないと思いました。

 

 

田中:訓練を実施するにあたって、外部との連携にも尽力されたと思います。なかなかできることではないと思うんですが……。
小嶋:おやじの会を中心としたPTAでやろうと思ったんですが、夜の学校の使用には教育委員会の許可が必要で、やっぱり前例が無いからなかなか宿泊訓練は難しかったです。教育委員会に承認してもらうために、PTAの上の豊臣学区連絡協議会を巻き込んで、消防団も巻き込んで、子ども達のためにという思いを伝え、何とか実現することができました。

 

 

地域とつながって育まれていくもの

田中:そういった巻き込み力によって実現した訓練ですが、実際にやってみて感じたことはありますか?

村井:やっぱり、子ども達が楽しみながら経験をしてくれたというのは大きかったです。夜の体育館って本当に真っ暗になるんですよね。その怖さを味わいながら、懐中電灯を持って恐る恐るトイレに行く。そんな「夜の学校探検」みたいな経験を小さい頃にできるのって、大事なんじゃないかなって。

 

 

杉原:子ども達はすごく楽しそうでしたし、母親としても、お父さん方がこうして頑張ってくれているのってすごく頼もしいなって思います。学年が違う子ども達が一緒になって話したり、そういうのもいいなぁって。

 

 

杉原:この辺りでは、地域の方の見守りの力をすごく感じます。小学校も人数が少ないからか、すんなり溶け合う雰囲気がある。学区の運動会にも参加するようになったりして、なんか、そういう関係がいいなって。

小嶋:「おたがいさま」というタスキをつけたご高齢の方が、帰りの通学路の見守りに立っていてくれたりね。

村井:そうそう。だから、自然と子ども達も挨拶をするようになるんです。本当、自分が子どもの頃よりもよっぽどしっかり挨拶ができるので、誇らしいしすごいなと。これも地域の力ですよね。

 

 

 

“自分で自分を生かす”ということ

 

村井:僕は、自分の息子には「常に究極の状況を想像しておけ」って言うようにしています。

例えば災害が起こった時に、自分は無事でも、隣で潰れた家屋から腕が伸びていて「助けて」と言われることだってあり得る訳じゃないですか。逃げるべきなのか助けるべきなのか、助けることができるのかって、すごく難しい。だけどやっぱりまずは自分で自分を生かしてほしいから、息子には「俺が隣で倒れていても、見捨てて逃げるんだぞ」っていつも言い聞かせています。まずは生き延びてから、正しい判断が何だったかは考えればいいですから。

小嶋:今、少子化で小学校が減っていますよね。つまりは避難所も減るっていうことだから、やっぱりこれからの備えについて話すことってすごく大事だと思います。      

「愛するわが子に、自分で自分の身を守れるようになってほしい」

 

 

──そんな想いが真っ直ぐに伝わって、終始子を想う親の愛情がひしひしと感じられる取材になりました。

豊臣小学校おやじの会、格好良すぎるパパとママ。何より、皆さんそれぞれが楽しみながら活動に取り組まれているということが印象的でした。

 

 

名古屋の地図を見ながら、「ここが危ないね」と真剣に話し合う皆さん

こんな親になりたいなぁと心の底から思いつつ、頼もしい背中をお見送り。

アツいです、豊臣小学校おやじの会! ありがとうございました。

 

 

Writer:一般社団法人 防災ガール 田中美咲

 

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※この記事はNTTタウンページ株式会社様とのコラボ記事となっております。    

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とてもすばらしい取り組みをされている地域の団体・プロジェクトを

全国の防災ガールが取材をしに伺います!  

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