#beORANGE オレンジフラッグ in 熱海

 top

海とともに生きる未来をつくるため、日本の沿岸部にオレンジ色のフラッグを掲揚していく本プロジェクト。#beORANGEとして今年度は高知・静岡・愛知の三県で実施を進めていますが、すでに海の防災として独自にオレンジ色のフラッグを活用している地域・団体もあるのです。一足先にbeORANGEを実現している先輩方に、先進事例としてオレンジフラッグの活用方法をお聞きしていきます。

 

今回おはなしを聞いたのは…

スクリーンショット 2016-08-28 19.10.36

一般社団法人ビーチクラブ全国ネットワーク
熱海ビーチクラブ代表(特定非営利活動法人シップチヤンドラー) 
 光村 智弘(みつむら としひろ)さん

 

 

田中:こんにちは、防災ガール代表の田中と申します。今日はよろしくお願いします。

光村:はい。よろしくお願いします。

田中:先進事例として詳しくお話を伺えるのは光村さんが初めてなので、とても嬉しいです。それではさっそく、インタビューに移っていきますね!

 

1506601_980351918722645_6056736248244420864_n

――光村さんがオレンジフラッグを活用されるようになったきっかけを教えてください。

私は熱海のビーチクラブに所属しているのですが、上部団体のビーチクラブ全国ネットワーク代表ドジ井坂さんから「湘南など他の地域でもやっているから熱海でもやらないか?」とお声かけを頂きました。逗子、江の島、茅ヶ崎、などのビーチクラブでは実施済みで、これは大切なことだなと思い私も賛同した形です。

 

――なるほど。ちなみに熱海ではオレンジフラッグをどのように使用されているんでしょうか。

ビーチクラブでは、小さな頃から自然の中で遊び、海に親しむためのイベントを開催しています。そのイベントの折には必ず受付にフラッグを置いて、開会のときに「緊急時にはこの旗が振られるのでその時には避難をしてください」といったアナウンスを毎回するようにしています。形としては横150×縦90くらいの大きさの手旗がひとつあるという状態なので、いつも持ち運ぶようにしています。

3月11日、5月のTAKATA FESTA、9月の防災週間の辺りで一度ずつ、毎年津波避難訓練もおこなうようにしているのでそこでも活用しています。

1238902_374176392714820_764975122_n

931177_324947047637755_106464468_n

海だからこその避難の仕方、海だからこその伝え方がある。

――実際に取り入れるようになってよかったこと、大変だったことはありますか?

大変だったことはそんなに無いですね。ヨットレースのフィニッシュラインがオレンジの旗なので紛らわしいといったことはあるかもしれませんが、レースに関わる者は認識しているので棲み分けは可能かなと思っています。

よかったことは、「フラッグを振る」という「目視での合図」を広められていることでしょうか。丘から海へ向けて流す放送設備もありますが、やはり海にいると放送だけでは聞こえないことがあるんです。それを目視でも届けることができるというのは本当に大切だし、一般の方にもそれを知ってもらえる機会を作ることができるのはとてもいいことだなと思います。さらに津波避難訓練の中で、陸地で地震が起きた時は「すぐに動くのではなくまずは机等の下にもぐって揺れがおさまってから避難」と教えられているところを、「津波は時間との戦いなので、はいつくばってでもすぐに海から離れることが大切」と伝え直すようにしているんです。海では上から落ちてくる物なんてほとんどないので、まず逃げてくださいと。こういった「海での避難」を教える機会にもなるので、すごく重要だなと感じています。

もちろん熱海だけではなく、湘南茅ヶ崎方面へ行くときにも意識してもらえればいいことなので、熱海でオレンジフラッグについてお話するときにはそれも一緒にお伝えするようにしています。

1908419_660645604033268_2766283129674071729_n

――イベントで訓練もされているということで、そうした部分の苦労などはありますか?

そうですね。子どもたちにスタッフをお願いしてイベントをおこなうこともあるのですが、やはり訓練の部分は同じことを繰り返すことで身につけてもらう要素が大きく、何度も参加している子どもにとっては「いっつも同じ」になってしまうというところは難しい部分かもしれません。子どもたちはすぐ飽きてしまいますからね。(笑)

でも、「同じことをやるからこそ意味があるんだよ」ということを伝えると、子どもたちも理解してくれているのかなと思います。避難訓練のときには車が走っている道路もあったりしますので、退屈した子どもたちが走って事故を起こしたりしないように気を配って実施しています。

 

「生き残るための手段」を伝えることで、海をもっと楽しめるようになってほしい。

――実は今、いろいろな地域でオレンジフラッグについてお話をすると、命に関わる大切な啓発をおこなうものだからこそ「どうやって運用したらいいの?」という不安の声をいただくことも多いんです。その点はどのようにされているのでしょうか。

運用というか、そうですねぇ…。津波防災に関しては、誰が責任を取るとか、誰が悪いとか、そういう話ではないなと思うんです。今、陸前高田の方とも繋がりをもって活動をしているんですが、3.11の大きな被害や想定外の状況を見ていてもやっぱり、「自分が一番安全だと思う場所へバラバラになってでも逃げる」という行動をどれだけ多くの個人ができるかということが大切なのかなと思っています。そのためにはとにかく津波への意識を上げることが重要で、そこに使えるものはどんどんやっていけばいいんじゃないのかなと。オレンジフラッグも避難訓練もそうですが、本質的には「生き残るための手段」でしかないんですよね。知識と経験のある者だけが生き残れるし、周りの人を助けることができる。これを私たちは「人間力」と呼んでいますが、そうした力をアップさせるためにも、使えるものは使おうという意識しかありませんでした。

13423775_1214442991900396_4401453563716936815_n

――「人間力」、素敵な言葉ですね。ビーチクラブさんとしては、そうした「生き残るための力」を向上させるようなとりくみをされているんでしょうか。

ビーチクラブとしては、海の自然のエネルギーの中で、砂浜で遊ぶためのノウハウを大人から子どもまで広く伝承していくという活動をしています。たとえば、昔は海や川にも一年中入ることができて、監視員なんて居ない中で遊ぶことができました。今は学校で「海水浴シーズン以外の海へ入ってはいけません」と教えられますよね。だけど、正しい知識があれば季節を問わず自然とは付き合っていけるものなんです。そうした部分を知ってもらいたくて活動を進めている部分があるので、私たちにとってのメインは「遊び」。その中の安全対策の部分としての「防災」があると考えています。

 

光村さん、心強い先進事例のお話をありがとうございました!

お話を聞いていくなかで、わたしたち#beORANGEのプロジェクトとしてめざす「海とともに生きる未来」というものをまさしく見据えて活動し、そのためにオレンジフラッグの運用もおこなわれているんだなと感じました。

これからオレンジフラッグを取り入れていく自治体や団体のみなさまにとっても背中を押される事例だったかと思います。

先進事例vol.2もお楽しみに!

 

 

事例)一般社団法人ビーチクラブ全国ネットワーク 熱海ビーチクラブ

フラッグ形状:横150cm×縦90cm / 手旗式
フラッグ本数:1本
管理者:一般社団法人ビーチクラブ全国ネットワーク 熱海ビーチクラブ
訓練頻度:年4回、3〜4ヶ月に一度イベント時
設置場所:熱海サンビーチ 〒413-0012 静岡県熱海市東海岸

 

Pocket

人気の記事

Copyright c Bosai girl All rights reserved