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<特別寄稿> 防災ガール監事 小野田弁護士によるペットと防災について

第4回目となる今回の熊本支援では、益城町総合体育館にあるペット避難所でのボランティア活動にも参加させていただきました。

人間の防災とは違い、ふだんあまり意識することもない「ペットの防災」。そこにはどんなルールや気を付けるべきポイントがあるのか、防災ガール監事である小野田弁護士に法律的な観点からアドバイスをいただきました!

 

 

 

地震に驚いてペットが逃げた!
避難所の近くで迷い犬・猫を捕まえた!

…こんなときどうしたらいい??


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小野田弁護士

東日本大震災だけでなく、今回の熊本地震でも、ネット上・リアルを問わず、発災直後から迷い犬・猫の情報が飛び交いました。

家族同然のペットの行方がわからない被災者の方々と、「家族の元へと帰してあげたい」という想いから、同じ『被災者』という立場でありながら、あるいは被災地を支援する立場から、迷い犬・猫を保護する方々――。

ペットを飼っておられる方も飼っておられない方も、ある日突然、同じ立場に置かれることになるかもしれません。

そんなとき私たちは、具体的に、次にどんなアクションを起こしたら良いのでしょうか?

今回は簡単にではありますが、主に遺失物法と動物愛護法という2つの関係法規を踏まえつつ、状況に応じて考えられるアクションを整理してみました。

※なお、迷い犬・猫に関する法制度上の取り組み(法令の運用状況)は、各都道府県・自治体ごとにその内容が異なりますので、ペットのために事前に詳細を知っておきたい!という方は、ご自身のペットに首輪と迷子札(犬の場合は鑑札)が装着されているかをチェックした上で、最寄りの警察署や自治体の担当部署(警察なら生活安全課、自治体なら動物愛護の担当部署)にお問い合わせください。

 

パターン1:首輪の装着だけでなく、所有者を明らかにするもの(迷子札や鑑札等)が装着されている迷い犬・猫の場合

▽飼い主さん

→ 迷い犬・猫は、遺失物法の対象としての「物件」にあたりますので(遺失物法第2条第2項にいう「逸走した家畜」)、最寄りの警察署で『遺失届』の届出をしてください。

 

▼保護された方

→ 飼い主さんと連絡がとれない場合は、まずは最寄りの警察署に、保護した旨の申告をしてください。[*1]
遺失届一覧簿というものの中に該当する迷い犬・猫の届出の記載がないかを確認してもらえます。

その後については、保護された方がその迷い犬・猫の飼育を継続できるかどうか、新たな飼い主になっても良いとお考えになるかどうかで変わってきます。飼育できる、さらには飼い主になっても良いとのことであれば、拾得物として届出をしてください。3ヶ月以内に所有者が現れなかった場合は、所有権がご自身に移転します(民法第240条)。

他方、そもそも飼育までは難しいとのことであれば、あとは警察に任せるか(この場合、迷い犬・猫は、原則として、警察による公告と保管期間(2週間[*2] )を経て、保健所や動物愛護センター(以下「センター」といいます。)に引き取られることになります。)、警察の担当者からの問い合わせに応じて、センターによる引取りを希望してください。

[*1] 所有者が判明している迷い犬・猫の場合、保健所や動物愛護センターには、法律上の引取義務まではありません(動物愛護法第35条第3項参照)。

[*2] 遺失物法第9条第2項及び同施行令第3条。なお、同施行令第4条参照。

 

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パターン2:首輪だけしか装着されていない迷い犬・猫の場合

▽飼い主さん

→ 最寄りの警察署で『遺失届』の届出をしてください。なお、首輪だけしか装着されていない迷い犬・猫の場合、関係法規上、主として保管期間等の点で、その取り扱いが迷子札や鑑札等が装着されている迷い犬・猫とは異なりますので、できるだけ早く届出をするとともに、失踪時から日数が経っている場合は、併せてセンターへの問い合わせも行ってください。

 

▼保護された方

→ 最寄りの警察署に拾得物として届出をするか、センターに連絡を入れるという2つの方法がありますが、基本的には、前者の手続きをとる方が迷い犬・猫がご家族の下に帰れる可能性が高まります。なお、迷い犬については、センターに引き取られた後、法律上処分が可能になるまでに多少の猶予期間(3日間[3] )がありますが、迷い猫についてはこれに相当する規定がありません。

もっとも、センターとしては、迷い犬・猫の処分が法律上可能な状況にあったとしても、首輪の装着などにより飼い主がいることが窺われる迷い犬・猫の場合は、すぐに処分を実施するわけでは必ずしもなく、各自治体によって引取り後の保管期間が異なり、また、飼い主探しや再譲渡等を実施しているところもあるようです。

[3] 狂犬病予防法第6条第7項乃至第9項。

 

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パターン3:首輪すら装着されていない迷い犬・猫の場合

▽飼い主さん

→ 保護した方あるいは警察・センターの方に、捨て犬・猫(「逸走した家畜」にあたらない)と判断されてしまっている可能性があります。その場合、警察での保管期間を経ずにセンターに引き取られてしまいますので、すぐに警察及びセンターに問い合わせてください。

 

▼保護された方

→ 最寄りの警察署で拾得物としての届出をしてください。その際、捨て犬・猫と判断されないよう、保護されたときの状況や、その後の飼育状況(人に慣れていることや、躾がきちんとなされていることが窺われること等)を警察の担当者の方にできるだけ具体的に説明してください。

 

 

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首輪に加えて迷子札や鑑札をしっかりとつけておくということと、いざというときすぐに連絡すべき先を知っておくということが、大切なペットの命を守る備えにつながっていくようです。

 

ペットを飼っていない方も、「誰かのペットを保護する側になる可能性がある」ということをおぼえておくといいかもしれません。今横をすれ違ったわんちゃんが、実は誰かの心の支えである「家族の一員」かもしれないのです。
「知らなかった」がペットの命取りにならないように、しっかりと頭に入れておきたいですね。

 

小野田先生、ありがとうございました!

 

 

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