まさかの結果に!観光客の津波防災意識を調べました<防災ガール自主調査>

津波避難を加速させるべく日本中にオレンジフラッグを広め、「海と共に生きる社会」をつくる「#beORANGE(ハッシュビーオレンジ)」プロジェクト。

今年の5月に立ち上がった#beORANGEの宮崎実行委員会と防災ガールは、2017年7月15日、本格的な夏シーズンが訪れた宮崎県の青島海水浴場で津波防災意識の実態調査を実施しました。今回は、その調査結果を発表します!

宮崎の青島ビーチで津波防災についての実態調査を実施しました!

 

 

気になる調査結果は…?

詳しいデータは最後に掲載しますが、まずはわかったこと三つをポイント的にご紹介していきます。

1)約7割が地震がきたら逃げると回答…
しかし、逃げる場所を知らない人が90%以上の結果に!

「もしこの場所で地震が来たら?」という質問をしたところ、72.8%の人が「逃げる」「避難する」と回答。『そんなの当たり前じゃん?』とスイスイ回答する人も多い中、「ここから一番近い津波避難ビル(※1)がどこかわかりますか?」と尋ねると状況は一変。「知らない」「わからない」という回答が90%を超え、ビーチの周りを見回し頭を抱える人が続出しました。

(※1津波避難ビル…津波が押し寄せたとき、地域住民が一時的に避難するための緊急避難場所として市町村によって指定されたビル(建物)のこと)

 

 

2)そもそも、「津波避難ビル」の存在を知らない人が約75%もいる事実。

津波のおそれがあるとき、より早くより高い場所へ逃げるべく、一時的な避難場所として設けられている「津波避難ビル」。全国の沿岸部でその整備が進められていますが、今回の調査ではそもそもその存在を知らないという人が全体の7割を超える結果になりました。

観光客のみならず、県内から遊びに来ていると回答した人の7割も「知らない」と回答。そもそも津波がくるといった状況を想像したこともなかったという人も。

 

3)ビーチには、波と津波の違いがわからない人も60%以上いるということが判明。

海の表面だけが上がったり下がったりする普通の波(波浪)と、海面全体が動く津波。サーファーが喜んでいいビッグウェーブと津波は全く違う代物です。それなのにもかかわらず、その違いについて知らない人は全体の67%にも。

中でもサーフィンなどのマリンスポーツに詳しくない観光客の方が波に対する理解は薄い様子でした。一方、即答で「わかります」と答える強者も存在し、残念ながら「わかる」と答えた上で間違った説明をした知ったかぶりさんもチラホラ見える結果となりました。

 

それでも、津波はやってくる。

津波避難ビルなどの避難先の周知徹底や、漠然と抱いている「逃げる」といった常識的行動の『その次』を具体的にイメージさせることの必要性などがわかる調査結果となりました。目印としてのオレンジフラッグも、やはり重要な意味を持つことになりそうです。

今回調査を実施した宮崎県沿岸部では、南海トラフ巨大地震発生の際には最短約18分で津波が到達するという予想(※2)が発表されています。

津波は地震発生の後にやってくる災害なので、いち早くその情報を取得し、より早く、より正確に、より安全な場所へ避難を開始すれば助かる可能性はぐんと高まります。

これらに加えて、現在わたしたち防災ガールでも津波防災についての先行研究データを調査し、現状の防災対策にプラスして、より広くたくさんの人を救うためにはどのように対策を加味していくべきかを調べています。

(※2 宮崎市ホームページ
http://www.city.miyazaki.miyazaki.jp/fs/2905/52aaceec003.pdf

 

今回の実態調査を実施した#beORANGE宮崎実行委員会では、このアンケート調査をおこなった場所でもある「青島」に津波避難先の目印としてのオレンジフラッグを設置しようと、8/18までクラウドファンディングを実施しています。


https://faavo.jp/miyazaki/project/2141

津波避難ビル・タワーの整備や備蓄品の配備など公が担える部分と、私たちのような民間だからこそ担える部分。それらの協力体制のもとで、一人でも多くの人が助かる未来を作っていくために、私たちもまだまだ活動を推進していこうと思います!

ビーチで協力してくださった59名の皆さま、調査の実施に協力していただいた渚の交番の皆さま、本当にありがとうございました!宮崎実行委員会のメンバーと一緒に、ここからまた活動を深化させていくことを目指していきます。

 

【調査概要】
調査名:#beORANGE 実態調査
調査対象: 宮崎県宮崎市青島エリアを訪れている宮崎県民/観光客
調査期間: 2017年7月15日 13:00-16:00
調査方法: ランダムに選んだ調査対象への対面式アンケート調査
調査人数:総数59名にアンケートを実施

====対象者:属性詳細===================
[性別]女性49% 男性51%
[年代]10代 6.77%、20代 30.5%、30代 22.03%、40代 30.5% 50代 6.77%、60代3.38%
[住まい]宮崎県民 52.54%、県外 45.76%
================================

1 性別( 男 / 女 )
・59人中30人が男(50.84%)、29人が女(49.15%)

2 年齢( 10代 / 20代 / 30代 / 40代 / 50代 / 60代 )
・10代が4人(6.77%)、20代が18人(30.50%)、30代が13人(22.03%)、40代が18人(30.50%)、50代が4人(6.77%)、60代が2人(3.38%)

3 どこから来たか(都道府県/宮崎の方は市まで教えてください)
・59人中27人が県外(45.76%)、31人が県内(52.54%)、1人が無回答

4 今ここで地震がきたらどうしますか?(自由回答)
・59人中43人が「逃げる」「避難する」といった回答(72.88%)
▶︎43人中9人は、逃げると回答しているものの次項5において「広い場所」や津波避難に最適とはいえない場所の指定をしていた。
(※高いところへ逃げる、高台へ避難する、近隣の高い建物(ホテル)に逃げるなど、正しい津波避難の認識をしていると見られる回答は34人)

・59人中15人は「わからない」「思いつかない」または避難とは無関係の回答(25.42%)
▶︎59人中24人(40.67%)は「わからない」、「または逃げると言った場所が避難に最適ではない場所」を回答していた。

・59人中1人が「大きな声を出して一人でも多くの人を助けたい」と、自分の避難だけではなく周囲を助けるための行動まで含めた回答を行なっていた。

5 ここから避難するとしたらどこに逃げますか?(自由回答)
・59人中31人が「山」「高いビル」と回答(52.54%)
▶︎調査場所から近く目立つビルであるホテルと回答する人も多かった。調査時に周囲を見回して避難できそうな場所を確認する対象者が非常に多く、中には「見回してもわからなかった」といった感想を述べる者もいた。
・59人中14人が「わからない」と回答(23.72%)、13人が具体的な場所を回答したものの津波避難に適切な場所とは呼べない回答(22.03%)、1人が「高い場所に逃げるが、具体的な場所は状況による」という回答をした。

6 津波避難ビルを知っていますか?( 知っている / 知らない )
 59人中15人が知っている(25.42%)、44人が知らない(74.57%)
▶︎県内の者の中では31人中11人(35.48%)が「知っている」と回答。半数以上は知らないと答えている結果が見られ、観光客のみならず県内や地域住民に向けても周知徹底の必要性が感じられる結果となった。

7 ここから一番近い津波避難ビルがどこかわかりますか?( わかる / わからない )
 59人中5人がわかる(8.47%)、54人がわからない(91.52%)
▶︎県外/県内を問わず、前項6で「知っている」と回答している者でも当項目では「わからない」と回答する者が多く見られた。津波避難ビルの位置の周知のための取り組みの必要性が感じられる結果となった。

8「海でオレンジ色のフラッグを見たら○○の合図」
 ○○に入る言葉は何でしょう?(自由回答)
・59人中9人が「津波」と回答(15.25%)
・59人中34人が「わからない」或いは防災と無関係な回答(57.62%)
・59人中6人が「危険」や「災害」と回答(10.16%)
・59人中8人が「避難」「逃げろ」「海からあがれ」と回答(13.55%)
・59人中3人が「救助」「フラッグの後ろに泳いではだめ」「およげ」といった本来の意味とは異なる意味での回答(5.08%)をした。
▶︎「津波」と答えた者はまだまだ少なかったが、色そのものが持つ効果なのか「危険」「災害」「避難」「逃げろ」「海からあがれ」といった類似回答も多く見られ、それらを合わせるとほぼ半数となる結果が得られた。

9 津波と大きな波(高浪)の違いって知っていますか?( 知っている / 知らない )
59人中19人が知っている(32.30%)、40人が知らない(67.79%)
▶︎「知っている」と答えた19人のうち2名が次項で高浪を津波だと勘違いしていた。

10 AとBのイラストのうち、津波だと思う方を教えてください。( A / B )
59人中9人がA(高浪のイラスト)(15.25%)、50人がB(津波のイラスト)(84.74%)、1人が無回答
▶︎先行研究(安田,畑山,島田:2015)の調査結果にもあったように、サーファーは波の感覚を体で理解しているために前項9で「知らない」と回答していたとしてもBを選ぶ傾向が強かったのかもしれない。また、今回はイラストを用意したために、前項9のように知識としての理解は無いものの、何となくのイメージとしてBを選んだ者も多く見られたように思う。

11 啓発の参考にしたいのでよく行くお店があれば教えてください(自由回答)

考察参考資料:
安田 誠宏,畑山満則,島田広昭:津波避難に対するサーファーの意識の全国調査(2015)

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