雪が降らない時には、まちに溶け込む看板として。古いのに新しい「ばんばこ」で、助けあいのまちづくりを。

「除雪作業」で命を落とす高齢者を減らしたい

近年、日本の各地でみられる豪雪の被害。内閣府の調査によると、平成26年の豪雪被害で亡くなられた方のうち、実に82%の方が「除雪作業中」に命を落としていたことがわかっています。さらに、その内訳を見れば66%が65歳以上の高齢者。国としても、「一人での除雪作業は危険である」という警鐘を鳴らしています。

(引用:雪処理に係る事故による犠牲者ゼロのための地域の防災力向上に向けて提言 /  内閣府・国土交通省 P.4)

しかし、雪の降る地域では、雪かきをしない訳にもいきません。
現在の日本では一人暮らしの高齢者も年々増えており、 内閣府の「平成28年版高齢社会白書」によると平成22年の時点で男性約139万人、女性約341万人の高齢者が一人暮らしをしているという統計も出ています。2025年問題(※)として取り上げられることもあるように、これから先も日本では少子高齢化が加速する一方だといわれています。

(引用: 平成28年版高齢社会白書(全体版)第一章)

手伝ってくれる人はいない。
それでも自然は、待ってくれるはずもない――

 

そうなれば、たとえ危険であるということが分かっていたとしても、一人で除雪作業に踏み切るほかないのが日本の現状です。

※…少子高齢化が進み、2025年には人口の20%が「後期高齢者」になるといわれていることを含む社会問題の呼称。

 

雪国の古民具「ばんばこ」をアレンジして、新たな助けあいのまちを。

毎年報道される除雪作業中の事故。そんな課題を前に、「自分たちにできることはないだろうか」と滋賀県彦根市にある一軒の材木屋が立ち上がりました。

明治38年の創業以来、「木づくりによるまちづくり」を行ってきた材木屋・長谷川林材株式会社。木に寄り添い、滋賀県彦根市のまちを113年にわたりつくってきたこの会社が、平成30年の今だからこそ「助けあいが生まれるまちをつくり、除雪による事故を減らしたい」と、古来の民具を現代に溶け込ませ発展させる新たな工夫を考えました。

「ばんばこ」という雪国の民具

地方によって「雪ばんば」や「こすき」とも呼ばれるのが、今回注目された雪国の古い民具「ばんばこ」。もともと、現在の除雪スコップのルーツとして作られていたと言われるこの民具は、いわば木でできたスコップのようなもの。昔はこのばんばこで、屋根の上の雪を下ろしたり、道にたまった雪を脇へよけたりといった除雪作業がおこなれていました。

長谷川林材株式会社は、廃材の活用を目的に十年前からばんばこを作っていました。今回はそのばんばこに「雪が降らない時の役割」を与え、さらに人々の助けあいを促す仕組みを作り、高齢者による除雪作業中の事故という課題へアプローチしようとしています。

材木屋としての未来への挑戦

今回の新しいばんばこのアイディアは、長谷川林材株式会社の4代目社長の息子である佳宣(よしのぶ)さんの発案から始まりました。

――これからの時代、材木屋だからといって『材木を売ること』だけを続ける必要はないんじゃないかなぁと思うんです。もちろん木を扱うことは中心にあるけれど、一歩、二歩、三歩、他の領域へもっと踏み込んでこそ、新しく生まれる価値が必ずあると思っています。今回のばんばこもただの除雪スコップとしてではなく、『助けあいを生むための仕掛け』であったり、『新しいまちの魅力』の一部になり得るんじゃないのかなと思って、提案しようと決めました。

――それでも、僕たちはまだまだ「見せ方」を工夫することが苦手です。前に縁側を一緒に作ったことがあったご縁から、どうやって発信したらいいかと相談をして、今回企画やPRの協力してもらうことになり、この発信が実現しています。自分たちでできないところはきちんと頼る。その上で、僕たちは僕たちのやるべきことや可能性を追究していきたいです。

 

時代の変化に伴い、さまざまな職業で新しい在り方や価値の見直しが始まっている昨今。
地域に寄り添い、木と共に在り続けた113年間の歴史を絶やすことなく新たな一歩を踏み出すための挑戦は、親子揃って真摯に木を見るその姿勢から始まっていくのかもしれません。

そんな親子の眼差しと歴史ある技術で作られた新しい「ばんばこ」の、4つの特徴をご紹介します。

 

<新しい「ばんばこ」の4つの特徴>
1.雪が降らない時には「看板」として街に常設することができる。

2.街に設置することで「誰でも助けあいに参加ができる」文化をつくる。
3.端材として廃材になってしまう木材のみを使用し、地域資源の活用と循環にも配慮。
4.建物や道を傷つけない、「やさしい除雪」を可能に。

 

1.雪が降らない時には「看板」として、街に常設することができる。

これまでの除雪スコップは、雪が降る時以外には倉庫やお家にしまっておかなければならず、「正直邪魔だなぁ…」と思われることも多かったのではないでしょうか。
このばんばこは、雪が降ったら除雪スコップとして、雪が降らない時には「看板」として街に設置をすることができる仕様になっています。

観光の案内に使ったり、街の中の景観統一に使ったり、避難場所や防災倉庫の情報なんかを記して設置するなど、多種多様な使い方ができるのが特徴のひとつです。
木のあたたかみがあるばんばこを探しての街歩きなんていうのも、新しい「まち」の仕掛けのひとつになるかもしれません。

 

2.街に設置することで「誰でも助けあいに参加ができる」文化をつくる。

これからの時代、除雪作業もシェアする文化はいかがでしょう。
基本的に除雪スコップというものは各家庭で所持・保管されているものですが、このばんばこを設置すれば誰でも通る街中に除雪スコップを置くことが叶います。

たとえば観光で訪れている人や、待ち合わせ中に時間を持て余している人、仕事で毎日通ってはいるけれど除雪の道具は持っていないというような人たちにも、「思い立ったその時に、雪をひとかき」を実現してもらえる環境ができるのです。

ばんばこでの雪かきは、一般的な除雪スコップのように雪を持ち上げる方法ではなく、雪をずりずりと押して避けていくという方法で行われるため、雪かき初心者でも無理なく作業を進めることができます。

「ちょっとやってみたかったんだ」といったような気軽さで、誰でも誰かを助けられる文化のある街をつくってみませんか。

 

3.端材として廃材になってしまう木材のみを使用し、地域資源の活用と循環にも配慮。

長谷川林材株式会社は、113年間ずっと「材木屋」として商いを続けてきました。その間、時代の変化によって日本の中でも問題とされてきたのが「産業廃棄物」や「ゴミ」による公害問題。リサイクル法の整備などの手が打たれている現在でも、環境省からは廃プラスチックや産業廃棄物の発生抑制には力を入れていかなければならないという通達が出ています。

現在一般的に使われている除雪スコップは、アルミ製やプラスチック製になっているものが殆ど。雪の重みに耐えながらも軽量であるなど利点も多いものの、消耗品である以上どうしても廃棄の際のデメリットは拭えませんでした。

山から木を切り出して、長い時間をかけて乾かして製材し、そうしてわたしたちは「材木」を手に入れています。自然は決して無限に存在している訳ではなく、その「循環」の重要性をよく知る材木屋だからこそ、このばんばこは最後には自然に還すことができるものとして作られました。

素材は、滋賀県産の杉の木とマレーシア産のアガチス。品質にはまったく問題がないのにも関わらず、節がある等といった少しの理由から端材として廃材になってしまう木材だけを使い、三本の釘以外はいずれ自然へ還る道具として製造しています。
除雪スコップも消耗品。

いつかゴミとして廃棄する時のことまで考えて選んでみるという新しい選択を

 

4.建物や道を傷つけない、「やさしい除雪」を可能に。

除雪作業をしたことのある人にはわかるかもしれませんが、重い雪をかく時に勢い余って道や建物の壁などを傷つけてしまうということがよくあります。それをきっかけにトラブルに…なんてことはないかもしれませんが、たとえ自分の家であったとしても傷がついてしまうのは悲しいものです。

素材が木であるこのばんばこは、必要以上の強度を持ちません。木材という、経年変化をも楽しむもので作るからこそ、「雪かき」を果たす強度さえあれば、あとはなるべく自然のままの姿を保たせています。

もしかすると、硬い壁にぶつかれば少し欠けてしまうようなこともあるかもしれません。それでも雪はかけますし、ぎざぎざが気になれば少しだけ削って均してください。薄く表面を削ったら、また新しい木の色が顔を出してくれます。

自然のしなやかな強さを持つ木材だからこそ、傷つけたくないものを傷つけずに雪かきをすることができる「ばんばこ」。やさしい除雪を可能にする、昔ながらの知恵が詰まった民具です。

 

 

<数量限定>丁寧に作られた11本のばんばこを販売します

長谷川林材株式会社では、一本一本丁寧に作り上げたばんばこをこの十年間で90本販売してきました。今回はこの冬にお届けできる11本限定で、「新しいばんばこ」としてみなさまからのご注文をお受けしようと思います。
木のあたたみあるばんばこで、「助けあいのまち」を仕掛けてみてください。

■商品価格
一本1,700円(税別・送料別)

■使用木材
板部分…杉(滋賀県産)
取手部分…アガチス(マレーシア産)
※何も廃材のみを使用

■追加料金
ロゴや文字入れ(レーザー加工,jpegまたはpngでのデータのみ):1000円 / 本
送料:長浜市木之本町内 無料
   そのほか(ゆうパックまたは宅配便にて郵送します/着払い)

■注文方法
こちらのメールアドレスに以下の情報を記入してお送りください。
bosai.girl@gmail.com

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【必要情報】
名前:
送付先住所:
連絡先(電話):
連絡先(メールアドレス):
連絡先(メールアドレス確認):
本数: 本
加工:レーザー加工 あり・なし
※ありの場合はpngまたはjpeg素材にて印字したい情報をメールに添付してお送りください。
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ご連絡いただき次第御見積させていただき、振込先口座をお伝えいたします。
入金の確認が出来次第送付の準備をさせていただきます。

 

※限定数にて特別販売となりますので、在庫がなくなり次第終了となりますことをご理解頂けますと幸いです。
※レーザー加工をご希望の場合、雪どけるたびに表面のレーザー焼き付け部分が薄くなる可能性がございます。自然のものを使っていることもあり、経年変化としてご了承いただけますようお願いいたします。


(レーザー加工例)

 

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partner:長谷川林材 株式会社
idea:角佳宣
concept design:株式会社 morning after cutting my hair

copy writing:株式会社 morning after cutting my hair
photo:株式会社 morning after cutting my hair・角佳宣
special thanks :角佳宣・長浜市
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