インドネシアのカリマンタン島に!アジア9カ国の防災リーダーと巡る旅最終章

防災ガール代表の田中美咲です!

アジア9カ国から選出された26名の防災のリーダーたちがアジア各国を巡り、新たなアイデアを生み出し、これからの未来を担うライフラインを作ることをサポートするプログラム「HANDs! project」。

昨年は2017年10月8日からスタートし、1カ国目はフィリピン・マニラへ。
そして10月14日から10月18日までは2カ国目の日本。東京と宮城が舞台となりました。

その時の記事はこちら!

9カ国の防災リーダー26名が集結!各国を巡る1ヶ月間

2カ国目は日本!9カ国のリーダーが感じた日本とは

 

そして年が明けて2018年2月4日から2月13日まで、最終章としてインドネシアのカリマンタン島に行ってきました!

想像していたよりも多くの課題があり、解決のしがいがある島でした。

 

課題の多いカリマンタン島での5つの発見と体験

カリマンタン島では大きく分けて2つのプログラムが実施され、3つの課題を目の当たりにしました。それぞれ日本では考えられないような状態・課題で9カ国から訪れた防災のリーダーたちは新たな発見や学びを見つけ、自分たちの国に戻って実践に紐づけていきます。

 

まず2つのプログラムに関しては、タイのゲームデザイナーであるラティコーンさんからのゲーミフィケーションについてのプログラムと、自分たちが自国に戻って実践するアクションプランを深めるためのワークショップでした。

ラティコーンさんがTEDxで登壇されている動画はこちら!

 

特に今回、カリマンタン島に行かないと学べなかった、出会うことができなかった3つの課題についてご紹介します!

 

私が心動かされたカリマンタン島に顕在する3つの課題

1)前が見えなくなるほどの霧を生み出すパームオイルの課題
2)川上から流れたゴミが流れ溜まるムスリムの学校でのゴミ捨て問題
3)カリマンタン島版消防団「バラカラ」の現状と課題

 

 

1)前が見えなくなるほどの霧を生み出すパームオイルの課題

カリマンタン島のパランカラヤというエリアにて by 国際林業センター(CIFOR)

みなさんは「パームオイル」を知っていますか?

日本人の私たちが日々口にしているチョコレートやカップラーメン、その他いろいろな食材に入っており、パッケージなどには「植物油脂」と記載されているため普段直接この言葉を目にすることはありません。

「植物油脂」と記載されてしまうと、健康だとされるえごま油やココナッツオイルなども含まれてしまうので、いざ食べているものに使われている油が「パームオイル」かどうかは私たちがその場で知ることができないのが現状です。

「パームオイル」はアブラヤシの果実から取ることができる油で、『ヤシの実洗剤』の原料でもあり、食用だけでなく洗剤や化粧品にも使用されています。

 

パームオイルの生産地に行ってきました

現地の森を守る「フォレストレンジャー」の方々に森の中を案内していただいたり、現地のNGO団体の「WALHI」「WWF indonesia」からお話を伺い、パームオイルの生産にあたって、生産地では複数の課題が混在していることがわかりました。

想像していたよりも課題が多すぎるので…その一部(これでも一部)を箇条書きにさせていただきます。

 

私が聞いたパームオイルとその周りの課題

 icon-bug 世界中でパームオイルを消費している結果、約360万ヘクタールもの森林が伐採されている。
 icon-bug 住処をなくした野生のオランウータンの生息数は、過去100年間で90%減少
 icon-bug パームオイル制作の企業が効率的かつ安価に生産するために、使わなくなったアブラヤシの木を大規模に野焼きすることで火災が頻繁に起きる
 icon-bug 違法に地元住民の土地をパームオイル生産のために使われてしまい、さらにその土地をなくした住民は強制的に働かされている
 icon-bug お金を稼ぎたい住民と、土地を守りたい住民で内紛が何度も起きている
 icon-bug 森の土が泥炭でできていて、乾季には太陽光でその土が燃えてしまい火災が起きやすい
 icon-bug 火災の頻度が多く、それが霧や霞となり島全土だけでなく近隣国にまでひろがっている
 icon-bug その霞が原因で国民の体調不良につながっているが、国は薬を提供するくらいしかやっていない
 icon-bug 企業がきっかけで起きた火災であるのに、首相が他国に謝まってしまったことで国民は意気消沈
 icon-bug 今後の対策や計画はなく、「チェックし続ける」ことしか現在は対策されていない
 
 

ただここには、地元住民へのヒアリングと政府や国の声、そしてパームオイルを製造する企業側の声を聞くことができていないので、もっと聞くチャンスが欲しいと思いました。

それにしても、ネットで調べるだけでは出てこない現地の方の声や、現場を見ることができたのはとても貴重で、どんな課題も現場に行かなくてはわからないことが山ほどあるなと感じました。

 

ちなみにここの水は燃えやすいとされる「泥炭」と木の樹液から、“黒い水”と呼ばれ、アマゾンとこのエリアしか見ることができないそう。

実際に飲んでみましたが、味はそのままミネラルウォーター。現地の方はこれでご飯を炊いて少し黒いお米を食べるそう…(たべてみたい)

2)川上から流れたゴミが流れ溜まるムスリムの学校でのゴミ捨て問題

 

カリマンタン島にあるムスリムの寄宿学校にやってきました。

ここは、900人以上の子供達が学びに来る学校で、半分の子供達はそのままここで寝泊まりしています。学校は川の近くに建っているため洪水や水害対策のため水面と距離をとって高めに設置されているのですが、川下に存在するためこのように川上からのゴミが学校の真下に大量に溜まってしまうという課題があります。

カップラーメンや、アイスのパッケージ、ストロー、ビンやペットボトル…

どれも自然に還らないものばかりで、ゴミの分別というカルチャーもこのエリアにないためそのまま川に捨ててしまっています。今回私たち防災のリーダーみんなで子どもたちにゴミの分別についてゲームを作って教えたりはしたものの、単発的な改善にしかならないとみんなが気づいていたと思います。

子どもたちに教えても、街に分別のルールがない。
子どもたちが分別して捨てても、ごみ収集をする人がまとめて一つにしてしまう。
子どもたちが家に帰れば親は分別の方法を知らず、楽な方法を選んでしまう。

そして子どもたちはお昼ご飯を近くのコンビニのようなところで買うため、そこで販売される既成商品すべてにプラスチックパックが付いてきてしまい、またゴミが増える。

ファーストステップとして子どもたちにむけたプログラムを開発して先生たちに続けてもらうようにお願いをしてきましたが、一つの循環の中に存在する一つの事象を解決しても全体が解決しなければ小集団は続けることが難しくなってしまうのがどこでも起きうること。ここに対しても不甲斐なさを感じました。

解決したいけれど、そこにずっといれるわけではない。

 

3)カリマンタン島版消防団「バラカラ」の現状と課題

インドネシアのカリマンタン島には600もの「バラカラ」が存在する。

日本にある「消防団」とよく似た組織で、消防士たちとは違い民間が担うコミュニティーで、島全体に600ものユニットが存在し、全員がボランティアとのこと。

日本の消防団は国の予算で設備が準備されたり少々の支払いがあるが、この「バラカラ」は自分たちが自分たちの服や車や設備をはじめすべて用意している。そして年々人数は増え、現在3万人を超えるボランティアが集まり、誰もがこの活動に誇りを持っているそう。

 

ただここにも課題がたくさん。国から保障をされていないことで現場では怪我が多いがそこへのサポートもなく、お金のないユニットは服装もまちまち。

さらには、みんなが出動したくてたまらない(これもすごいことだけれど…)ため、20人までしか現場に行ってはいけないとルールをきめても50人ものメンバーが現地に行って手伝ってしまうそう。

小さい頃から人を助けることはすばららしいことだと教え込まれたことで、人を助ける「バラカラ」に入ることも、助けるチャンスがあればすぐ飛んで出てしまうことも、素晴らしい反面悪影響もあることを知りました。

 

 

今回、国際交流基金 / JAPAN FUNDATIONが運営するHANDs projectに日本の代表として参加させてもらい、各国の仲間たちとそれぞれの目から見て感じたものをシェアしながら各国を巡らせてもらったことで、今までに「防災」や「環境」に対して感じてきたもの以上の視点やアイデアをもらえました。

ここで学んだことを、どう日本に持ち帰りどう生かすのか。

まだまだ整理がついていないけれど。

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